夏季暑熱時の乳牛における酸化ストレスとエネルギー代謝における変化の関連性把握を目的とした。 泌乳牛の乳生産と血液中代謝産物、酸化ストレスマーカーを調べた。夏季暑熱時に血漿グルコースとビタミンCが低下し、酸化ストレスマーカーは変化しなかった。グルコース代謝の変化による活性酸素生成低下、抗酸化物質ビタミンCの細胞内取り込みが示唆された。またバイパスメチオニンの飼料添加により、夏季暑熱時乳腺組織へのグルコース取り込みが減少し、肝臓でのグルタチオン生産量増加が、活性酸素量増加に伴うグルコース代謝変化を抑制したと示唆された。 暑熱時に酸化ストレス発生と乳生産低下をともに防止する技術開発の可能性が示唆された。
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