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2015 年度 実績報告書

アルコール発酵乳における乳酸菌と酵母の微生物間相互作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 25450408
研究機関くらしき作陽大学

研究代表者

宮本 拓  くらしき作陽大学, 食文化学部, 教授 (00093708)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードアルコール発酵乳 / アイラグ / 微生物フローラ / 乳酸菌 / 酵母 / 微生物間相互作用 / 共生作用 / 拮抗作用
研究実績の概要

アイラグに由来する乳酸菌9 株と酵母5 株を用いて微生物間相互作用を検討したところ、Leuconostoc mesenteroides subsp. dextranicum 6B2081と酵母のSaccharomyces cerevisiae 4CあるいはCandida kefyr 2Y305の間では双利共生作用が認められた。
すなわち、乳酸菌ラクターゼの作用でラクトースから生産されたグルコースとガラクトースを酵母が利用し、酵母の生産するペプチドなどを乳酸菌が生育促進物質として利用していることが示唆された。
一方で、アイラグから分離した乳酸菌の抗菌活性を寒天平板拡散法によって調べたところ、抗菌活性が最も強かったLeuconostoc mesenteroidesの406株および213M0株をスクリーニングした。406株の抗菌活性に及ぼすpH、酵素処理および熱処理の影響を調べたところ、抗菌活性はpH4-7において安定であり、pHが高くなるにつれて、抗菌活性が低下し、pH12では失活した。いくつかのタンパク質分解酵素処理では抗菌活性が失われたが、カタラーゼ処理では失活しなかった。またpH6.0の条件下で、熱安定性を示した。これらの結果から406株の生産する抗菌物質は抗リステリア活性を持つバクテリオシンであると考えられた。また、SDS-PAGEにより、バクテリオシンの分子量を推定したところ、406株の生産するバクテリオシンは約3,300ダルトンであった。
以上のように、本研究ではモンゴル地域の伝統的アルコール発酵乳アイラグにおける乳酸菌と酵母の共生作用をはじめて明らかにするとともに、抗菌物質生産性乳酸菌を単離した。これらの知見はアイラグの製造技術を改良する上で有意義な情報となる。今後、共生微生物や抗菌活性を示す乳酸菌などをスターターとした新たなアルコール発酵乳への応用研究が望まれる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Production of a bacteriocin-like inhibitory substance by Leuconostoc mesenteroides subsp. dextranicum 213M0 isolated from Mongolian fermented mare milk, airag2016

    • 著者名/発表者名
      Arakawa,K.,Yoshida,S.,Aikwa,H.,Nano,C.,Bolorma,T.,Burenjargal,S. and Miyamoto,T.
    • 雑誌名

      Animal Science Journal

      巻: 87 ページ: 449-456

    • DOI

      10.1111/asj.12445

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 乳酸菌菌体外多糖の生産性、構成糖および抗酸化活性に関する研究2016

    • 著者名/発表者名
      西川大貴・荒川健佑・松永佳奈子・烏力吉徳力根・宮本拓・森田英利
    • 学会等名
      日本農芸化学会中四国支部会
    • 発表場所
      岡山理科大学(岡山市)
    • 年月日
      2016-01-23
  • [学会発表] Lactobacillus helveticusの乳中生育性と菌体外プロテアーゼに関する研究2015

    • 著者名/発表者名
      荒川健佑・豊川直樹・大森葉子・宮本拓
    • 学会等名
      日本酪農科学会
    • 発表場所
      とかちプラザ(帯広市)
    • 年月日
      2015-09-25
  • [学会発表] Lactobacillus gasseriと乳酸球菌の共培養に関する研究2015

    • 著者名/発表者名
      守時亜衣・峰雪仁美・荒川健佑・川井泰・増田哲也・森田英利・宮本拓
    • 学会等名
      日本酪農科学会
    • 発表場所
      とかちプラザ(帯広市)
    • 年月日
      2015-09-25

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公開日: 2017-01-06  

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