研究課題
牛ウイルス性下痢(Bovine Viral Diarrhea: BVD)・粘膜病は、BVD ウイルス(BVDV)感染に起因する消化器粘膜の潰瘍を伴う疾病であるが、免疫系が確立していない時期の胎子感染によって持続感染が成立し、様々な病態を引き起こすことが知られているものの、不明な点が多い。本年度は、BVDV感染によっても病変が形成されることが分かっている疾患・病変のうち、原因が未解明である神経疾患および糸球体疾患について、BVDV持続感染がこれらの病態形成に関係しているか否かを検討した。その結果、出生直後から神経症状が認められるのにも関わらず明瞭な形態変化が認められないという原因不明の病態である子牛症例、およびウシでの病因が未解明である両側対称性脳軟化症や脳室周囲白質軟化症症例では、BVDVの持続感染が関与しないことが明らかとなった。また、糸球体係蹄壁での硝子様物質沈着が認められる糸球体病変にもBVDVの持続感染が関与しないことが明らかとなった。BVDV遺伝子の組織内分布をパラフィン切片上で検出する方法の信頼性評価には比較対照を確保することが重要となる。本邦では、パラフィン切片に利用できる有用な抗体が入手不可能であるため、パラフィン切片ではなく、凍結切片や培養細胞系で使用されている複数の抗体がパラフィン切片に応用可能か否かについて検討した。その結果、これら抗体がパラフィン切片に対しては応用不可能であることを確認した。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 6件、 謝辞記載あり 1件)
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