牛ウイルス性下痢症ウイルス(BVDV)は、感染個体に消化器疾患を惹起する。BVDVが免疫系の確立していない胎子に感染すると持続感染が成立し、様々な病態に関与することが知られている。本研究では、新たに見出したBVDV持続感染関連疾患である中枢神経白質でのグリオーシスと髄鞘低形成を特徴とする中枢神経白質異栄養症と全身の細小血管が糸球体様を呈する糸球体様血管症の病態を明らかにした。また、BVDV感染個体での特徴病変の1つである血管傷害を伴う病態や神経疾患など、複数の未解明疾患について、BVDV 感染関与の可能性を検討したが、BVDV感染が関与する新たな病態の発見には至らなかった。
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