申請者はラットの妊娠11-12日におけるMethotrexate (MTX)曝露が胎盤基底層の低形成を誘発することを明らかにした。本研究では当該病変の病理発生機序を解明することを目的とし、病理組織学的および分子生物学的解析を実施した。その結果、(1) MTXによって誘発された胎盤基底層の低形成病変において認められた細胞死の発生機序に、extrinsic pathway/intrinsic pathway、蛋白質および不飽和脂肪酸の酸化的損傷、JNK pathway活性化が関与していること、(2)胎盤構成細胞のMTXに対する感受性とジヒドロ葉酸還元酵素の発現量とは無関係であることが示唆された。
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