研究課題/領域番号 |
25450428
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
中嶋 秀満 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (30405360)
|
研究分担者 |
桑村 充 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (20244668)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 創薬 |
研究概要 |
本年度は、まずGAPDH凝集阻害ペプチド(GAIペプチド)のさらなる活性向上と構造活性相関を取得することを目標とした。新たに8個のペプチドを合成し、1次評価系(GAPDH凝集阻害活性)を調べたところ、プロトタイプGAIペプチド(特開2013-241402号)よりも、約50倍活性が向上したペプチド(GAI-X)を取得することができた(IC50 = 1.19±0.15μM)。このトリペプチドは、2次評価系(副作用評価)において、GAPDH酵素阻害、細胞毒性、アミロイド化増強全てにおいて陰性であり、ペプチド構造由来の懸念される副作用は認められなかった。また、3次評価系(有効性評価)において、Abeta誘発PC12細胞死を99.4±1.12%阻害することが明らかとなり、優れた有効性を示した。さらに、これまで合成した21個のGAIペプチドの構造活性相関から、GAI-Xはペプチドミミック法による非ペプチド性低分子化合物へ展開可能である構造であることが明らかとなった。加えて、本構造は特許性の観点からも展開が期待されるものであることが知財調査などで明らかとなった。 次に、当初計画で示した脳神経疾患動物モデルとして、アルツハイマー病モデルマウス3xTg ADマウスをジャクソン研究所から購入し、本学動物科学教育センターにてSPF環境下で飼育繁殖を行った。2ペアを搬入し、これまでにファウンダーマウス10匹を得た。また、コントロールマウスとして129SVとB6のキメラマウスの作成方法を確立した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初計画では、まずはコンセプト確認の為、脳実質内投与可能なペプチド内包神経向性リポソームの作成を計画したが、ペプチドミミック法による非ペプチド性低分子化合物への展開が可能なGAI-Xを見出すことができたことから、研究アプローチをより実践的なペプチドミミックによる低分子合成展開に変更したことは、当初計画よりも進展していると言える。
|
今後の研究の推進方策 |
当初計画で示した脳神経疾患動物モデル評価方法として、リポソーム内包法を変更し、より創薬実現性の高い非ペプチド性低分子化合物を用いることとした。現在、GAI-Xからの低分子化合物合成展開を実施中である。また、前年度に繁殖に成功した遺伝子改変アルツハイマー病モデルマウスの繁殖拡大を行い、上述した低分子化GAPDH凝集阻害化合物の評価に用いる予定である。さらに、コントロールマウスの繁殖も開始する。
|