牛卵巣中に存在する初期胞状卵胞から採取した発育途上にある卵子を、卵子-卵丘細胞-顆粒層細胞複合体(OGC)として体外発育培養(IVG)法の改善に取り組んだ。その結果、世界で3例目の産子を作出し、本IVG系により発育した卵子の正常性が確認された。また、骨形成タンパク質4は、培養中の顆粒層細胞の直径を小さくし、プロジェステロン分泌を抑制することから、顆粒層細胞の黄体化を抑制することが明らかになった。さらに、卵巣内胞状卵胞数(AFC)由来OGCのIVGを行った場合、OGCの生存性に差は認められないものの、高AFC群の方が顆粒層細胞数は多く、卵子ミトコンドリア活性と核成熟率は高いことが分かった。
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