薬剤感受性スクリーニングから犬乳腺腫瘍悪性クローン株CHMp-5bでのミトコンドリア呼吸鎖阻害薬(MRCIs)に対する高感受性が示された。MRCIsであるメトホルミンにより低感受性株CHMp-13aではAMPK依存的な細胞増殖抑制が見られる一方で、5b株ではAMPK非依存的なG0/G1期での細胞周期停止が見られた。これはメトホルミンが細胞内のATP産生量を変えないままニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD)量を減少させることによるものであった。本研究から犬悪性乳腺腫瘍に対するMRCIの新規治療薬としての可能性と、メトホルミンのNAD依存的な細胞増殖抑制効果が初めて明らかとなった。
|