プリオン感染マウス脳の免疫組織化学染色でPrPScの蓄積が強く認められたアストロサイトではiNOS発現が上昇しており、ミクログリアではNOX2の発現の上昇が認められた。脳において酸化ストレス障害マーカーの8-OHdGやニトロ化チロシン修飾蛋白質の増加も観察された。PrP遺伝子欠損マクロファージを用いた解析では、貪食能がPrP再発現マクロファージに比べて低下しており、貪食能とPrP発現との相関は、初代培養細胞を用いた解析でも確認された。以上のことから、プリオンの感染病態において、酸化ストレス制御の観点から、ミクログリア/マクロファージにおけるPrP発現は重要な役割を果たしているものと考えられた。
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