胎子と新生子の発育にはCaやPなどのミネラルが重要で,これらのミネラルは全て母体から供給される。本研究では牛の乳腺と乳汁、および胎盤における副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)のミネラル代謝に対する機能について検討した。その結果、乳汁中PTHrP濃度は多くの乳汁中タンパク質と異なり、初乳では経産牛よりも初産牛でその濃度が高く、分娩後は徐々に上昇していくというユニークな性質を持つことが分かった。また、胎子循環血液中の高いPTHrP濃度は主に胎盤節子宮側のPTHrPに由来することが示唆された。牛においてもPTHrPが胎子期から新生子期のミネラル代謝に大きく関与していることが明らかとなった。
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