研究課題/領域番号 |
25450466
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
下川 哲哉 愛媛大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40363337)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | プロサポシン / ラット着床前胚 |
研究概要 |
プロサポシンは、リソソームに向かい脂質代謝に関係するサポシンA、B、C、Dの前駆体蛋白質としての機能を有する型(リソソーム型プロサポシン)と、細胞膜に向かい神経栄養因子として細胞外に分泌される型(分泌型プロサポシン)が存在する。雌性生殖器系では卵巣においてプロサポシンが存在する事が判明しているが、卵巣以外の雌性生殖器においては依然不明のままである。申請者らの予備実験により、卵管上皮・子宮上皮においてもプロサポシンの存在が明らかとなったので、着床前胚に注目し本年度は以下の結果を得た。新規に作製したプロサポシン特異抗体を用いて、着床前胚におけるプロサポシン含有細胞の検討を行った。Western blotting法を用いた着床前胚におけるプロサポシン蛋白の検討結果から、プロサポシン蛋白は着床前胚においても存在し、その含有量は発生のステージが進むにつれて増加する傾向にあった。初期胚を回収し、ポリエステルワックスに包埋後、連続切片を作製し、プロサポシン特異抗体を用いて免疫組織化学を行い、プロサポシン蛋白の初期胚における分布について検討を行った。初期胚においてプロサポシン蛋白は、一様に分布していた。胚盤胞期の胚については、検索に耐えうる良好な切片を得るための固定時間および包埋条件の設定に時間を要し、プロサポシン含有細胞の同定が完了していない。そのために、in situ hybridization法を用いた分泌型プロサポシン産生細胞の同定は未だ完了していない。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新規に作製したプロサポシン特異抗体を用いて、初期胚におけるプロサポシン含有細胞の同定を終えたが、胚盤胞期の胚については良好な組織像を得るための条件設定は終了したものの、未だ完了していない。また、in situ hybridization法を用いた分泌型プロサポシン産生細胞の同定も完了していないため。
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今後の研究の推進方策 |
胚盤胞期のプロサポシン含有細胞の同定を完了し、さらに、in situ hybridization法を用いて分泌型プロサポシン産生細胞の同定を行う。プロサポシン産生細胞の同定後、培養初期胚にFAM結合合成ペプチドを投与し、プロサポシンの初期胚での動態について検索を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度は胚盤胞期の胚について解析を進める事が出来なかったので、その後に予定していたin situ hybridization法を用いた分泌型プロサポシン産生細胞の解析を行う事が出来ず、RI試薬が購入出来なかったために次年度使用額が生じた。 現在、胚盤胞期におけるプロサポシン含有細胞の解析を進めており、RI試薬を用いた検索に入るので、本年度中に使用する予定である。
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