研究課題/領域番号 |
25450492
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 独立行政法人農業生物資源研究所 |
研究代表者 |
陰山 大輔 独立行政法人農業生物資源研究所, 昆虫微生物機能研究ユニット, 主任研究員 (60401212)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | スピロプラズマ / 培養 / 共生細菌 |
研究概要 |
研究に使いやすいスピロプラズマを自然界から見つけ出すことを目的に、様々な昆虫からスピロプラズマの感染を探索し、ヒメハナカメムシの1種から見つかったスピロプラズマを液体培地で単独培養することに成功した。このスピロプラズマはヒメハナカメムシの細胞内に共生し、卵巣を通じて母系伝播する共生細菌である。 ヒメハナカメムシのスピロプラズマを培養させることに成功した液体培地に寒天を添加することにより、寒天培地を作製し、このスピロプラズマ系統の寒天培地上での培養を試みたが、コロニーの形成には至らなかった。寒天は最も一般的に用いられる培地成分でありながら、ある種の細菌に対しては生育を著しく阻害することがわかっているため、今後、寒天ではなくゲランガムなどを用いることにより培地を改良し、再度培養を試みたいと考えている。 ある程度増殖したと思われるスピロプラズマを液体培地で10倍ずつ希釈させていき、96ウェルプレートで培養した結果、約10億倍に希釈した時に増殖できたウェルとできなかったウェルが半数ずつ程度存在した。この作業を2回繰り返すことによって、おそらくクローン化あるいはかなり均一な遺伝的背景に統一させることに成功したと考えられる。 今後、さらに新規のスピロプラズマの探索を続けながら、このスピロプラズマ系統の性状の確認(独自のプラスミドを保持しているか・S. citriのプラスミドを受け入れ可能かどうか・ショウジョウバエなどに感染可能か、など)詳細な調査を行っていき、形質転換のための基盤を作っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究に適したスピロプラズマ系統を探索するのに時間がかかったが、ヒメハナカメムシのものを用いることができることがわかったので、今後はさらに探索を続けながら、この系統を中心に研究を進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
研究に適したスピロプラズマ系統の探索は続けながら、ヒメハナカメムシのスピロプラズマの性状の確認・独自のプラスミドを保持しているか・S. citriのプラスミドを受け入れ可能かどうか、ショウジョウバエなどに感染可能か、など詳細な調査を行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
予想以上に消耗品などに経費がかかったため、必要な物品の一部について、前年度分の予算では足りなくなってしまった。そこで、翌年度の予算と合わせて購入するため、その分を余らせておいた。 翌年度の予算を補充して購入する。
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