蚕が生産する絹フィブロインタンパク質に血管内皮細胞が認識・結合すると考えられるN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)糖鎖を導入するため、架橋剤を用いてGlcNAcの二糖の化学修飾を絹フィブロインに行なった。糖鎖修飾絹フィブロインのNMRスペクトル解析とレクチンとの凝集反応から、絹フィブロインへのGlcNAc糖鎖の導入を確認した。糖鎖修飾絹フィブロインは絹フィブロインよりも高い血管内皮細胞の接着性と増殖性を示したことから、糖鎖導入によって絹フィブロインは血管内皮細胞の培養基材に適するように改変されたと考えられる。
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