研究実績の概要 |
1. Swolleninの局在部位の特定 ① Swolleninペプチド抗体の作製と反応性ーSwolleninに特異的なアミノ酸配列から抗原となる配列を決定し,ペプチド抗体を作製した。T. reeseiの培養液上清を用いて抗体の反応性を調査したところ,Swolleninと思われる約70 kDaのタンパク質と反応性を示した。今後は,本抗体を使用してバイオマス中におけるSwolleninの局在性を調査する予定である。② Swolleninのセルロースへの吸着力ーSwolleninのセルロースへの吸着力を各種CBM1を有するセルラーゼと比較した。Swolleninは,CBH1と同様にセルロースに吸着したタンパク質の90%以上が離脱することから,可逆的な吸着であると考えられた。 2. Swolleninの発現時期と発現量の調査 リアルタイムPCR法によって調査を行った。Swolleninの発現時期はセルラーゼ(cbh1, cbh2, eg1)と完全に一致していることが明らかとなった。セルロースをC源としたときの発現量は,cbh1と比較して約4%であり,Reference gene (act1)に比較すると約200%であった。 3. 各種セルラーゼ成分の調製 Swolleninによる活性促進効果を調査するために,T. reesei由来の各種セルラーゼ成分を組換え酵素として調製した。麹菌を利用した発現系を構築し,計画通りにCBH1, CBH2, EG1, EG2, EG4, BGL1の発現に成功し,精製を完了した。
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