研究課題/領域番号 |
25450501
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
福永 健二 県立広島大学, 生命環境学部, 准教授 (50435533)
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研究分担者 |
大迫 敬義 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 講師 (80363969)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | アワ / ハマエノコロ / SSRマーカー / 連鎖地図 / 集団構造解析 / ゲノムシークエンス / Setaria italica / 遺伝的多型 |
研究概要 |
アワSSRについては、Jia et al.(2010)の81マーカー、これまで開発したマーカー(101マーカー)に加えて、当研究室でこれらマーカーを用いて作成した連鎖地図(Sato et al. 2013)でマーカーが少ない染色体領域について92のSSRマーカーを今回、新規に開発した。当研究室で所有するマーカーは274となった。92のSSRマーカーを増幅し、連鎖地図作成に用いた両親(台湾品種と日本品種)間で比較したところ26マーカーについて多型が認められ、そのうち12のマーカーについてはF2集団を用いて連鎖地図上にマッピングを行った。現在も引き続き、マッピングを行っている。なお、これまで開発したSSRマーカーのうち両親間で多型がなかったマーカーから18マーカーを選び出し、世界中のアワ17品種とエノコログサ3系統について多型の有無を調査したところ、このうち17マーカーについては何らかの多型が認められた。このことは今回のマッピング集団では使えなかったマーカーでも他の集団では使える可能性があることを示唆している。この過程でこれまでマッピングされてなかったrDNAについてもマッピングを行った。 また、次世代シークエンサーを用いて、マッピング集団の片親である台湾品種について全ゲノムを解読し、基準品種Yugu1と比較した。台湾品種と、Yugu1と岩手生工研でリシークエンシングを行った大槌10号と配列を比較し、見出されたindelのマーカー化を試みたところ、我々の集団にも応用可能であることが明らかとなった。今後SSRマーカーが作りにくい領域を中心にマーカーの充実を図っていきたい。 さらに、分担者は、海岸に生息しているハマエノコロ5集団のサンプリングを行った。遺伝資源として保存するとともに、集団の遺伝的構造の解析を行っていきたい。2年目も集団の収集を行いつつ、SSRマーカー多型の予備調査を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
SSRマーカーのスクリーニングは順調に進んだ。マッピングされたSSRはまずまずの数である。また、SSRマーカー以外にもゲノムシークエンスからindelマーカーを作成できることが示唆されたのは予想を上回ることである。SSRモチーフが少ないところはindel マーカーでうめるということも可能である。F5世代も栽培でき、F6種子を取ることができた。ハマエノコロは集団を見つけるのにいささか苦労しており、目的をやや下回っているが、2年目にさらに集団の収集が進むと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
連鎖地図に関しては、SSRに加えてゲノムワイドなindelマーカーの開発を進めていき、地図を充実させていく予定である。展開予定のF6集団に関してもフレームワーク的な地図作成を開始したい。また、ハマエノコロ集団の収集も進め、予備的にSSRマーカーの多型を調査する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
消耗品で酵素のような試薬など保存の関係から来年度予算に回すこととした。 試薬(酵素など)を来年度購入予定である。
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