研究課題/領域番号 |
25450505
|
研究機関 | 富山県衛生研究所 |
研究代表者 |
健名 智子 富山県衛生研究所, 化学部, 副主幹研究員 (60416089)
|
研究分担者 |
小玉 修嗣 東海大学, 理学部, 教授 (70360807)
山本 敦 中部大学, 応用生物学部, 教授 (60360806)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 親水性化合物 / HPLC-UV法 / 金属イオン |
研究実績の概要 |
研究1,2年度は,有機酸類を銅イオンと配位させ,有機酸類の吸収スペクトルが長波長側へシフトし更に吸光係数が増加することを利用して,有機酸類の陰イオン交換モードまたは逆相モードによる精度良いHPLC-UV分析法を開発し,主に食品分析に応用した。 本年度は,昨年度までの有機酸分析で得られた知識を活用し,親水性化合物であるヒドロキシ基を多数持つ糖類について,金属イオンを添加した移動相を用いるHPLC分析法について検討した。糖類は親水性が非常に高く,また特異的な吸収をほとんど持たないことから,これまでは親水性HILICモードまたは配位子交換モードで分離,示唆屈折率検出器や蒸発型光散乱検出器で分析されてきた。しかしながら,これら検出器に特異性はなく,充分な感度が得られていない。糖類について,金属イオンとの配位を利用してHPLC-UV分析する方法を検討した。 0.1mM糖類溶液にモリブデン酸イオンを添加して吸収スペクトルの変化を調べたところ,酸性条件下(pH3.1)において,C6糖アルコール類(ヘキシトール)のみ,吸収極大の長波長側(255 nm)へのシフトと吸光係数の増加が見られることわかった。このことから金属イオンとしてモリブデン酸イオンを用い,移動相として用いる酸の種類・濃度,また移動相に加えるモリブデン酸イオンの添加濃度を変化させて,ヘキシトールの逆相モードでの分離・検出挙動を調べ,3種のヘキシトール(ソルビトール,マンニトール,ズルシトール)の最適分離条件を見出し,これらの特異的で高精度な分析を可能にした。これらの結果を食品サンプル中のヘキシトール分析へ応用した。
|