研究課題/領域番号 |
25450510
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 兵庫県立大学 |
研究代表者 |
石田 弘明 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 准教授 (80311489)
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研究分担者 |
黒田 有寿茂 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 講師 (30433329)
小舘 誓治 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 助教 (60254455)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 照葉樹林 / 種組成 / 種多様性 / 自然再生 / 植生 |
研究概要 |
わずかな面積しか残されていない「自然性の高い照葉樹林(照葉自然林)」の復元を図る上で最も効率的かつ効果的な取り組みは、照葉自然林に偏在する多くの種を照葉二次林に導入し(苗を移植)、照葉二次林の自然性および種多様性を積極的に向上させることである。しかし、このような取り組みの実行にあたっては様々な課題を解決する必要がある。最も重要な課題は、照葉二次林に導入すべき種(導入種)を地域ごとに明らかにし、そのリストを作成することである。本研究は、照葉二次林の主要分布地域の多くをカバーする包括的な導入種リストを作成することによって照葉自然林の復元に向けた取り組みを大きく前進させることを目指している。導入種リストの作成を意図した調査がまだ行われていない地域としては、東京都小笠原諸島、四国地方、近畿地方(兵庫県以外)などが挙げられる。多地域での調査を1年間で行うことは大変困難なので、平成25年度はまず、導入種リストの早期整備が必要と考えられる小笠原諸島の父島・母島を調査対象とし、これらの島に分布する照葉二次林と照葉自然林に100平米(10m×10m)の調査区を合計35個設置して植生調査と毎木調査を行った。得られたデータを解析した結果、両森林タイプの構造と種組成は明らかに異なっており、複数の種(シマホルトノキ、オガサワラグワ、ウドノキ、ツルキジノオなど)が自然林に偏在する傾向が認められた。逆に、二次林に偏在する種としてムニンヒメツバキ、アカギ、タコヅルなどがみられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度中に小笠原諸島での調査を完了させる予定であったが、悪天候などにより予定していた場所での調査ができなかった。ただし、平成25年度の調査で小笠原諸島の全体像を把握することができ、予想どおりの傾向も認められた。未調査の場所は限られていることから、平成26年度の追加調査により同島での調査を完了させることができると予想している。
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今後の研究の推進方策 |
小笠原諸島で追加調査を行うと共に、四国地方、近畿地方、九州地方での調査もできるだけ進めていく方針である。また、既存データの整理を行い、新規データとの統合に向けた準備を進める。小笠原諸島の研究結果の発表は急務であると思われるので、平成27年度中に研究結果を論文にまとめて学会誌に投稿したいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品の購入を予定していたが、勤務先にある物品で代用することができ、その購入が不要になったから。 現地調査のための旅費や研究補助者に支払う謝金、レンタカー代、消耗品の購入費などとして使用する。
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