研究課題
出芽酵母において,小胞体から細胞膜への分泌経路のどの段階を遮断しても,リボソームの生合成が転写レベルで抑制される。分泌経路遮断によるシグナル伝達に関与するRrs1は、核小体で25S rRNA前駆体のプロセシングと60Sリボソームサブユニットの組立てを調節する必須蛋白質である。分泌経路の遮断は、細胞表層ストレスセンサーWscによって感知され、プロテインキナーゼC(Pkc1)を経て核へと伝達されることが報告されているが、その詳細な機構は明らかにされていない。そこで、酵母two-hybrid法を用いたスクリーニングにより、Rrs1と相互作用する蛋白質として、Arp2/3複合体の構成因子であるArc35を同定した。さらにArc35だけでなく、Arp2/3複合体の他の構成因子であるArp2およびArp3もシグナル伝達に関与することを明らかにした。Arc35は細胞骨格であるアクチンの重合と微小管の形成の両方に機能する。Arc35と相互作用し、微小管制御に関与するγ-チューブリンとカゼインキナーゼ2、アクチンと微小管両方の制御に関与するカルモデュリンがシグナル伝達に関与することから、本シグナル伝達には、Arc35を介したアクチンと微小管両方の制御系が必要であることが示唆された。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 2件、 査読あり 6件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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