出芽酵母の分泌経路を遮断すると、rRNAとリボソーム蛋白質の遺伝子群が転写抑制される。このシグナル伝達には、リボソーム生合成調節タンパク質Rrs1とEbp2が関わる。本研究では、本シグナル伝達に関わる新たな因子として、GSK-3の酵母ホモログである4つのリン酸化酵素が重複して機能すること、特にMCK1が中心的な役割を担っていることを見出した。また、Rrs1と相互作用する蛋白質として、Arp2/3複合体の構成因子であるArc35を同定した。Arc35およびArc35と相互作用するタンパク質の解析から、本シグナル伝達には、Arc35を介したアクチンと微小管両方の制御系が必要であることが示唆された。
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