研究概要 |
平成 25 年度の研究では、交付申請書の「研究実施計画」に記載した通り、まずニワトリ 卵膜の採取と ZP1-ZP3 複合体と ZPD の分離、ゲル濾過クロマトグラフィーによる ZP1 と ZP3 の分離を行った。また、ZP1 の trefoil domain、ZP3 の N-terminal peptide および ZPD の EGF-like domain のそれぞれに対し、pET32 発現プラスミドと大腸菌発現系を用いて Trx/His-tag 融合タンパク質を作製し、それらを抗原としてマウスを免疫して新たな anti-ZP1, anti-ZP3, anti-ZPD ポリクローナル抗体を調製した。 本年度はまた、産卵鶏の血液中に含まれる ZP1 がどのようにして卵膜に組込まれるのかを解明する研究の一環として、前年度までに作製した組換え ZP3 および組換え ZPD をプローブとしてニワトリ血清に対する pull-down 解析を行った結果、血液中の ZP1 は ZP3 または ZPD の分子のどの領域と強く相互作用するかが明らかとなった。さらに、卵膜および上述のように卵膜から粗精製された ZPD に対して非還元条件の SDS-PAGE を行い、ポリアクリルアミドゲル内からニトロセルロース膜上に転写された ZP1, ZP3 および ZPD に対して、前年度までに作製された組換え ZP 糖タンパク質を反応させたところ、ZP1, ZP3 および ZPD がそれぞれどの分子内領域で相互作用し合っているかを示唆する実験結果が得られた。 なお、ニワトリ卵膜に対し、上述のポリクローナル抗体を用いて免疫蛍光染色し、卵膜マトリックスの構造の詳細を観察した。
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