危険信号分子アラーミンとは、細菌感染や傷害等の生体の危険を速やかに伝達し自然免疫系を活性化する生体内由来因子の総称である。本研究では、ATP刺激したマクロファージから細胞外に放出される蛋白質を網羅的に解析(セクレトーム解析)し、同定された蛋白質の自然免疫系における役割を明らかにすることで、新しいアラーミンを探索した。脳マクロファージ・ミクログリア細胞株を用いたセクレトーム解析から、640種類の蛋白質をアラーミンとして機能する可能性のある候補分子とした。その中で、グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)について、その非典型的分泌機構や細胞外での自然免疫調節作用を明らかにした。
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