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アレンのヒドロシアノ化反応について精査した結果、フェニル基を有する基質において高い位置選択性が発現することを見出した。直結する２つの２重結合を厳格に区別して官能基化できる数少ない反応の１つであり、合成化学的な有用性は高い。この知見を利用してインドールアルカロイド（ケブラカミン）の合成研究に展開している。この祇王生ではシアノ基をアミノメチル等価体として利用して、インドール２位への アレニル側鎖の簡便導入と位置選択的シアの基導入を実現した。４置換炭素の構築に続いてピペリジン環を構築して全合成を達成する予定である。
上述した２置換アレン基質にシクロプロパン環を導入すると、ニッケル触媒によるヒドロメタル化の後、瞬時に環開裂反応が位置選択的に進行する。共役ジエン化合物が単一生成物として得られることを見出し、さらに環化反応にも展開した。
シアノ基導入のみならず、アシル基等価体としてアシルホスホナートに着眼し、コバルト触媒を用いるヒドロアシル化反応の開発にも成功した。様々な５員環カルボニル化合物（ケトン、ラクトンなど）を一挙に構築できるこの手法は、触媒量が少なく条件が温和であり官能基許容性も高いことから複雑分子合成に適している。
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