本基盤研究(C)では、ステロイド骨格の3次元構造、およびステロイド骨格上の酸化度の違いに着目した、実用性の高い高酸化度ステロイド類合成法を確立した。まず、収束的なラジカルカップリングを利用したAB環の縮環様式(シスおよびトランス)と酸化度の多様化、および立体選択的アルドール反応を利用したCD環の縮環様式(シスおよびトランス)の多様化に基づくステロイド骨格の立体制御合成法を確立した。次いで、本方法論を利用して、高酸化度天然物ウアバインのアグリコン部位であるウアバゲニンの全合成を達成した。また、トウセンダニンの縮環炭素骨格とフランを有する重要中間体の合成に成功した。
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