アミノ酸を連結したペプチドオリゴマーは、その構造の柔軟性や周囲の溶媒との水素結合により、安定な規則構造をとりにくいことが多い。ゆえに環境に依存しない、高度に制御された構造を予測の通りに作り出すことは重要な課題である。 本課題では、コンホメーションを制御したプロリン型β-アミノ酸のオリゴマーを合成し、アミド結合のシス-トランス平衡をトランスアミドに完全に偏らせた、堅牢なトランスアミド体ヘリックス構造の創製を行った。本構造は溶媒や温度に関わらず安定であった。また、置換基を導入したオリゴマーのアミド結合の異性化平衡に関する基礎的な検討を行った。
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