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2013 年度 実施状況報告書

リンパ性フィラリアの制圧を目指すチランダマイシン類天然物の全合成研究

研究課題

研究課題/領域番号 25460017
研究種目

基盤研究(C)

研究機関長崎大学

研究代表者

高橋 圭介  長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60380854)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードチランダマイシン / フィラリア
研究概要

我が国を含む先進国ではさほど問題とはならないものの、発展途上国において深刻な公衆衛生上の問題であり、製薬企業が研究対象としにくい「顧みられない病気(Neglected Disease)」の代表的なもののひとつにリンパ性フィラリアがある。本疾患は象皮病という悲惨な身体障害の原因となり、患者の貧困、患者に対する偏見等が大きな問題となっている。WHOは本疾患制圧を目指し、アルベンダゾール、イベルメクチンといった既存薬の大量配布を行ってきたが、すでにこれらの薬剤に体制を示すフィラリア線虫の出現が報告されており、さらに肝障害等の副作用も見られる事から新たな治療薬の開発が望まれている。本研究においては、最近、強力な糸状虫のアスパラギンアミノアシルtRNA合成酵素(AsnRS)阻害活性を有し、有効な殺フィラリア線虫活性を示す事が明らかとなった天然物チランダマイシンBの全合成研究を行っている。本年度においては、まずフルフラール誘導体の有機触媒不斉Baylis-hillman 反応を基盤として不斉中心を構築し、フラン環の酸化に基づくビシクロ骨格の構築等をへて宮下らの中間体へと導いた。つづいてHWE反応に基づくジエノイルテトラミン酸単位を導入した後、脱保護をへてチランダマイシンBの全合成を達成した。今後はチランダマイシンBのより効率的な合成方法の開発をおこなう。具体的には、連続不斉中心の構築に焦点を当て、不斉還元的アルドール反応に基づくアプローチを検討する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

チランダマイシンBの初の天然型光学異性体の合成に成功した。

今後の研究の推進方策

チランダマイシンBのより効率的な合成方法の開発をおこなう。具体的には、連続不斉中心の構築に焦点を当て、不斉還元的アルドール反応に基づくアプローチを検討する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Formal [4 + 1]-cycloaddition of homopropargyl alcohols to diazo dicarbonyl compounds giving substituted tetrahydrofurans.2014

    • 著者名/発表者名
      Urabe F, Miyamoto S, Takahashi K, Ishihara J, Hatakeyama S.
    • 雑誌名

      Org Lett.

      巻: 16 ページ: 1004-7

    • DOI

      10.1021/ol403746r

    • 査読あり
  • [学会発表] 不斉森田-Baylis-Hillman反応に基づくTirandamycin類天然物の合成研究2014

    • 著者名/発表者名
      吉村光,高橋圭介,石原淳,畑山範
    • 学会等名
      日本薬学会第134年会
    • 発表場所
      熊本大学(熊本市)
    • 年月日
      20140327-20140330
  • [学会発表] 新規シンコナアルカロイド触媒 α -Isocupreine の創製とそれを活用した Tirandamycin B の 合成研究2013

    • 著者名/発表者名
      吉村光,中本義人,浦辺郁也,高橋圭介,石原淳,畑山範
    • 学会等名
      第39回反応と合成の進歩シンポジウム
    • 発表場所
      九州大学医学部100年講堂(福岡市)
    • 年月日
      20131105-20131106

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公開日: 2015-05-28  

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