研究課題
基盤研究(C)
北里研究所において、微生物代謝産物から新規で特異な構造を有するインドールアルカロイド(多環式含窒素化合物)であるネオキサリンならびにヒドロキシアパリシンを発見した。ネオキサリンはインドールのスピロアミナール構造を、ヒドロキシアパリシンはインドール環にさらに8、6員環を有した特異な構造をしている。そして、ネオキサリンはチューブリン重合阻害により特異的に細胞周期阻害作用を示し、さらに最近、熱帯病のトリパノソーマにも効果を示し、またヒドロキシアパリシンは強い抗マラリア活性を有しているが、いずれも両天然物とも微生物による生産は極めて微量である。そこでこれら2化合物を標的化合物として効率的でしかも実用的なグラムスケール合成可能な合成法の開発を行なった。
2: おおむね順調に進展している
ネオキサリンの合成は、まずマジンドリンの合成で確立したフロインドリンを出発原料として立体選択的にベンジル位にリバースプレニル基を導入、続いてフラン環を開環後酸化してアルデヒドとし、ホウ酸存在下でイソシアニドを付加させエチルエステルを得た後、二度の酸化的環化反応により、ニトロンを経由してインドールのスピロアミナール構造の構築を達成した。最後に、アルドール縮合によりイミダゾール部を導入して、初のネオキサリンの全合成を達成したので、おおむね順調に進んでいる。
引き続き、ネオキサリンに関しては、確立して合成法を活用して、類縁体の合成と誘導体の合成を行って行く。、
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