研究課題/領域番号 |
25460029
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
川幡 正俊 徳島文理大学, 薬学部, 講師 (00441593)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | シクロファン / アニオン性化合物 / ホスト―ゲスト |
研究概要 |
これまでにビナフチル骨格を有する脂溶性環境下で発揮してきたアニオン性スピロボラート化合物の分子技術を水性環境下でも発揮させるべくクラウンエーテル様スピロボラートアニオンホストを合成し,金属錯体やアンモニウム分子との包接化合物の分子科学評価を行い,従来のクラウンエーテル,クリプタンドより強固なホスト-ゲスト複合体を形成させることにより,新規分子技術へと展開することを目的に研究を行っている。カテコールユニットを有する鍵化合物2,3―ジヒドロキシベンズアルデヒドを出発原料とし、2カ所のフェノール性水酸基をベンジル基で保護し、アルデヒド部分を還元し、ベンジルアルコール体とし、水酸基を脱離能を有する臭素原子に置換した。これを種々側鎖の長さの異なるエチレングリコール誘導体と反応させ、環化前駆体を合成し、ベンジル基を脱保護し、カテコールユニットとホウ素との自発的分子内環化によりクラウンエーテル様スピロボラートアニオンの合成を予定している。また、ベンジルアルコール体を塩基により処理し、求核剤として働かせ、末端に脱離基を備えた種々側鎖の長さの異なるエチレングリコール誘導体と反応させることで同様に環化前駆体の合成も着手しており、どちらの合成方法が効率的であるか検討している。そのため、種々側鎖の長さの異なるエチレングリコール誘導体の両末端のジトシル体の合成も行っている。今後、環化体の形成過程を紫外可視吸光光度法、核磁気共鳴法、質量分析などの分析法によって追跡すると共に、環化体の結晶構造を得るべく適切なカチオン、包接体の選択を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
環化体の合成に向けた直前前駆体までの合成を行い、現在環化条件検討中であり、今後、速やかに、アニオン性スピロボラートシクロファンの評価に研究の中心がシフトできると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
アニオン性スピロボラートシクロファンの評価を行うにあたり、各種金属カチオンあるいは有機カチオン分子との紫外可視吸光光度法、核磁気共鳴法、質量分析などの分析法によって複合体形成能を行うと共に、それらの結晶構造を得ることも検討していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
有機合成用試薬溶媒、分析用試薬溶媒を当初予想したよりも使用しなかったため。 分析用試薬溶媒ならびに分析用消耗品にあてる予定である。
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