研究課題/領域番号 |
25460030
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
角田 鉄人 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (00172049)
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研究分担者 |
堀川 美津代 徳島文理大学, 薬学部, 助教 (50148772)
加来 裕人 徳島文理大学, 薬学部, 准教授 (90299339)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 新しい光延試薬 / 炭素-窒素形成反応 / デラセミ化法 / ホスト分子 / アブラムシ / ポリケタイド系色素 / 昆虫病原菌 |
研究実績の概要 |
1)当研究室で開発した新しい光延試薬を用い,効率的な炭素-炭素,炭素-窒素形成反応の開発に努めた.本年度はインドール,含フッ素化合物を求核剤とする反応について精査した.その結果,インドールが優れた求核剤になることが明らかとなった.さらに,モリブデンカルボニル錯体を添加すると反応点を制御できることもわかったので,本法を利用した生理活性天然物の合成を計画している. 2)応募者が開発したデラセミ化法を鎖状ケトン類に応用し,光学活性鎖状ケトン類を効率的に調整する方法を確立した,そこで本法を利用した生理活性天然物の合成に取り組んだ.さらに,構造化学的興味も含め,包接錯体の結晶化を実現し,X線回折による不斉分子認識の本質を解明につとめた.またアトロプ異性が存在するテトラフェニレン誘導体を光学活性ホスト分子とする研究にも着手した.ホスト分子の不斉合成には成功したので,ホスト分子としての能力を精査した. 3)アブラムシからポリケタイド系色素の単離構造決定をしてきたが,それらの全合成に挑戦し,合成を完了した.物質供給が可能になったので,これら色素の生物学的意味の探求を進めている.その一環として目下,昆虫病原菌に対する防御物質としての活性評価に力を入れている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
薬学部6年制の中で,教育,事務課題が増大し,さらに院生も制度上確保しにくくなっているため,研究を継続することが困難になりつつある.共同研究を強化することで打開をはかっている.研究成果は1報の論文として国際誌に掲載できた.目下,3報の論文を作成中である.
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今後の研究の推進方策 |
26年度の成果を踏まえ,研究の力点を生理活性天然物の物質供給と生物活性評価に移す.アブラムシ色素については,昆虫病原菌に対する防御物質としての活性評価に特に力を入れている.すでに,制菌的な活性をもっていることが明らかになっているので,その生物学的意味をさらに追求する.
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次年度使用額が生じた理由 |
大学院生,配属学生が減少し,研究の進捗状況に若干の遅れがで,当初計画通の物品調達が不要になったため.
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次年度使用額の使用計画 |
研究スピードをあげ,目標とした生物活性試験を精力的に行う.また,全合成により生物活性物質の供給を図っているが,反応スケールをあげる必要があるので,助成金はむしろ不足する可能性がある.いずれにせよ大切に,効率よく私用させていただく所存である.
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