NMRシグナルの感度を従来法の 5 倍以上とする、昆虫細胞発現系で重水素化したタンパク質を調製する手法を開発した。加えて、重水素化を施した上で、rHDLの脂質二重膜中に再構成したb2ARを調製して、各種リガンド結合状態のNMRスペクトルを取得することにも成功した。その結果、rHDL中では、活性型の量比がミセル中より多く、交換速度がミセルにおける値の数分の一であることが示された。 さらに、アレスチンシグナルを選択的に活性化する状態のGPCRのNMRシグナルを観測した。その結果、GPCRが複数の活性型の構造平衡状態にあり、各活性型の割合がシグナル選択性を決定していることが明らかなった。
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