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2013 年度 実施状況報告書

膜貫通ヘリックス間相互作用の一分子ダイナミクス計測:アミノ酸配列・脂質組成の影響

研究課題

研究課題/領域番号 25460034
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

矢野 義明  京都大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (60402799)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードモデル膜貫通ヘリックス / 一分子蛍光エネルギー移動 / 膜タンパク質フォールディング
研究概要

膜貫通ヘリックス(AALALAA)3の会合の一分子蛍光エネルギー移動(FRET)測定法をより迅速、正確に行うために、ジスルフィド架橋した2量体膜貫通ヘリックスの合成に取り組んだ。N末端にシステインおよびFRETドナー色素Cy3Bを導入したペプチド(1)とC末端にシステイン、N末端にFRETアクセプター色素Cy5を導入したペプチド(2)をクロスリンクすることで、逆平行型に配向を固定したペプチドを合成した。ギ酸/アセトニトリルを移動相としたHPLCで精製可能であることがわかった。次に、精製したペプチドをリポソームに組み込み、2量体の還元を試みた。クロスリンク状態ではCy3B励起時にFRETが起こりCy5からの蛍光が見られる。2―メルカプトエタノールで還元することで、ペプチドがモノマーに解離しCy3B蛍光の回復が見られる。フォスファチジルコリン/コレステロール膜中に組み込んだヘリックスの還元を行い一分子FRET測定を行ったところ、大部分の輝点(86%, n = 28)において、会合ー解離に伴うFRET揺らぎが観測された。一方で、配向を制御していないヘリックスでは、約半数(57%, n = 93)の輝点でしかFRETが観測されなかった。これらの結果は、逆平行型の配向で二量体化が起こっていることを示している。今後同様の手法で平行型に配向制御したヘリックスも測定する。今回確立した膜貫通ヘリックスの配向制御法は、脂質の種類やペプチドの配列依存的な膜貫通ヘリックス会合の駆動力を議論する際に重要な情報を与える。GXXXGモチーフを導入し平行型に配向制御したペプチドの合成も行い、一分子FRETを観測した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成25年度の目標であった、クロスリンク化ペプチドの合成と、膜中での還元、一分子FRET測定を行うことができ、会合モチーフ導入ペプチドについても測定を開始する段階に進展している。

今後の研究の推進方策

引き続き会合もチーフを導入したヘリックスの合成と会合測定を行うと共に、FTIR測定による膜貫通配向の確認も行う。ヘリックス量体形成に関しては、無細胞合成系での合成を試みる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Single-molecule detection of association-dissociation dynamics of transmembrane helices induced by cholesterol2013

    • 著者名/発表者名
      Yoshiaki Yano, Kotaro Kondo, Ryota Kitani and Katsumim Matsuzaki
    • 学会等名
      4th Asia-Pacific International Peptide Symposium
    • 発表場所
      ホテル阪急エキスポパーク(大阪府)
    • 年月日
      20131106-20131108
  • [備考] 京都大学大学院 薬学研究科 薬品機能解析学分野 ホームページ

    • URL

      http://www.pharm.kyoto-u.ac.jp/yakkai/

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公開日: 2015-05-28  

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