研究概要 |
18-オキソコルチゾールをLC-ESI-MS/MS法を用いて定量するための重水素標識した内標準物質の化学合成法を検討した。ビスメチレンジオキシ(BMD)基で側鎖を保護したコルチゾンを出発原料に、NaOD/MeODを用いて活性水素を重水素に置換し、ただちにMeOD/NaBD4でカルボニル基を還元した。ついで活性二酸化マンガンで3位水酸基を選択的に酸化してBMD-[2,2,4,9a,11a,12,12-D7]-コルチゾールとした。BMD-[2,2,4,9a,11a,12,12-D7]-コルチゾールをNOCl/ピリジンで処理し、重要中間体である11b-nitrite体とした。11-Nirite体を窒素気流下、Barton反応に付し18-oxime体としたのち、3工程で目的とする重水素標識した18-オキソコルチゾールを得た。質量スペクトルにより、標識された水素は9a11a、12aおよび12bの4箇所であった。一方、重要中間体である11b-nirite体を酸素気流下、Barton反応に付し18-nitro体としたのち、重水素標識した18-ヒドロキシコルチゾール-BMDを得た。合成した内標準物質を用いて、まず18-オキソコルチゾールのプロトン親和性誘導体化によるLC-ESI-MS/MS法の確立を行った。
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