研究課題
染色体異常等による副腎の過形成/低形成に基づく原発性の副腎皮質ホルモン産生異常は難治性のものが多く、早期の確実な診断と治療が必要となる。本研究では、コルチゾールに代表される副腎皮質ホルモンの先駆体や代謝物を含む一斉分析法の開発と診断への応用の達成を目的として、我々が開発したプロトン親和性誘導体化とLC-ESI-MS/MS法を駆使した「副腎皮質病態解析のためのtargeted steroidomics研究」を行った。まず、微量定量法の確立を行うため、コルチゾールの生合成・代謝に関連するステロイドの重水素標識内標準物質の合成を行った。入手困難な18-oxo-cortisol及びその重水素標識内標準物質は、コルチゾール及び重水素標識コルチゾールを出発原料に部分合成した。プロトン親和性誘導体として、21位水酸基をターゲットしたピコリン酸やフザリン酸を導入した分子を調製した。これらの誘導体はLC-ESI-MS/MSに極めて高感度に応答することを見出した。また、開発した誘導体化とLC-ESI-MS/MSによる検出は、特定の分子だけでなく、アルドステロンを含むコルチゾールの生合成・代謝に関わる前駆体や代謝物のプロファイリングに応用できることを明らかにした。確立したtargeted steroidomics手法を駆使して、副腎機能(過形成、低形成、酵素欠損、がん化)の状態による各成分の濃度変化との関連性や先天性代謝異常症の早期診断への応用研究を展開している。
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) 備考 (2件)
Hypertension
巻: 65 ページ: 1096-1102
10.1161/HYPERTENSIONAHA.114.04453
Springerplus
巻: 4 ページ: 494-511
10.1186/s40064-015-1304-0
Bioanalysis
巻: 7 ページ: 2489-2499
10.4155/bio.15.180
http://www.tohoku-mpu.ac.jp/laboratory/rinsyob/ronbun.htnml
http://www.hamayaku.ac.jp/teacher/te 159.html