グリチルリチン酸の弱酸基は緩衝水溶液のpHに依存して、表面及び会合体の物性に大きな影響を与えた。水への溶解度は強酸性領域では極めて低いことが分かった(0.15mM)。ミセルを形成できる領域はpH5-6の限られた領域だけであった。その会合体は棒状ミセルと判明した。会合体の形成は乳化剤や可溶化剤として応用できる可能性を示唆した。中性以上ではグリチルリチン酸はモノマー分子としてしか存在できない。故に、グリチルリチン酸を生体界面活性剤として、実在系に適用するには水溶液のpHに注意を払う必要がある。その分子構造と会合構造の関係はグチリルリチン酸の類似化合物の会合体形成を明らかにすることで理解できる。
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