研究課題
Oil-in-water (o/w)エマルションは、クリーム剤などの外用剤に広く利用される剤形である。エマルションの物理安定性は、分散する油滴が凝集し、クリーミングが進むにつれて低下していく。したがって、エマルション製剤の製剤安定性を正確に評価するためには、クリーミング挙動を正確に理解することが非常に重要である。近年、我々は、MRIの水分子運動性可視化技術を応用し、エマルション製剤の製剤安定性を非破壊的かつ詳細に評価できる手法を考案した。本申請課題では、上記のMRI技術を活用し、製剤安定性に優れたエマルション製剤の設計を行うこととした。なお、本課題の特色として、エマルション製剤の製剤研究に”次世代の製剤品質管理システム” として注目されるQuality by Design(QbD)アプローチを活用しながら、検討を進めていくこととする。初年度では、エマルション製剤の初期物性を、また、2年目は、製剤安定性をMRIを用いて詳細に評価した。最終年度は、得られた実験結果について、Kohonenの自己組織化マップや応答曲面法などの各種手法を駆使して、要因-初期物性‐製剤特性間の因果関係を明確にした。解析の結果、HLBは本エマルション製剤の安定性において最も重要であることが明らかになった。本申請課題によって、本製剤に関する設計変数-初期物性-製剤安定性間の複雑な因果関係をSOMクラスタリングによって可視化し、製剤安定性に優れるエマルション製剤が調製される条件が明らかになった。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件)
Chem. Pharm. Bull.
巻: 63 ページ: 377-383
10.1248/cpb.c15-00088
巻: 63 ページ: 457-462
10.1248/cpb.c15-00192
巻: 63 ページ: 901-906
10.1248/cpb.c15-00516
J Cosmet Sci
巻: 37 ページ: in press
10.1111/ics.1 2290