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2016 年度 実施状況報告書

癌の光線力学療法の効果を十分発揮させるためのトレーサブル光増感製剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25460053
研究機関崇城大学

研究代表者

竹下 啓蔵  崇城大学, 薬学部, 教授 (70175438)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2018-03-31
キーワードMRI / 造影剤 / ナノ粒子製剤 / 腫瘍 / 多糖
研究実績の概要

マウス(ddY, 雄)背部皮下に腫瘍細胞(S180)を接種し、腫瘍モデルマウスを作製した。腫瘍が直径12-13 mm になったところで、イソフルラン麻酔下、デキストラン結合Gd(Gd-Dex)あるいはマグネビスト(Gd-DTPA)の4μmol Gd相当量を静脈内投与し、投与前から時間を追って1.5 T 実験動物用MRI装置にてグラジェントエコー法によりT1強調スライス画像(厚さ1 mm)を撮像した。Gd-Dex投与時では投与後1分より腫瘍辺縁部の輝度が増加し、腫瘍におけるGd-Dexの蓄積が確認された。輝度は投与90分後においても増加したままであった。一方、マグネビストでは、投与1分後に腫瘍辺縁部の輝度が増加したが22分後では減少し、45分後では他の組織と同程度にまでなった。より定量的な解析を行うため、3匹の腫瘍モデルマウスにGd-Dexを静脈内投与し、各マウスにおいてMRI画像より腫瘍辺縁部、腫瘍中心部、そして背部筋肉に設定した各領域で輝度変化率を算出し、投与後の時間に対してプロットした。いずれのマウスにおいても腫瘍辺縁部の輝度は投与1分後から筋肉に比較して明らかに高かった。さらに、腫瘍中心部においても投与22分以降筋肉より輝度が徐々に高くなった。以上より、Gd-Dexは腫瘍辺縁部に蓄積し、時間と共に中心部へと蓄積部位が広がることが確認され、光線力学的治療のための光増感剤クロリンe6のキャリアとして有望であることが確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

初年度の合成法確立の遅れに加え、震災で影響を受けた測定機器の復旧に時間を要した。

今後の研究の推進方策

光増感剤クロリンe6のデキストランへの結合法の検討を経て、クロリンe6-Gd結合デキストランを創成し、本研究目的の達成を図る。

次年度使用額が生じた理由

初年度の合成法確立の遅れに加え、最終年度である当該年度の震災で影響を受けた測定機器の復旧に時間を要したため、研究期間延長を申請した。

次年度使用額の使用計画

光増感剤結合ナノ粒子合成のための試薬や実験動物の購入、並びに成果発表のための費用に充てる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Pharmacokinetics of lipophilically different 3-substituted 2,2,5,5-tetramethylpyrrolidine-N-oxyl radicals frequently used as redox probes in in vivo magnetic resonance studies.2016

    • 著者名/発表者名
      Keizo Takeshita, Shoko Okazaki, Yuriko Hirose
    • 雑誌名

      Free Radic. Biol. Med.

      巻: 97 ページ: 263-273

    • DOI

      10.1016/j.freeradbiomed.2016.06.008

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 敗血症モデルマウスにおける生体内レドックスの経時的変化と病態指標2016

    • 著者名/発表者名
      岡崎祥子、北富章子、佐藤みづき、福田 偲、竹下啓蔵
    • 学会等名
      第69回日本酸化ストレス学会学術集会
    • 発表場所
      仙台国際センター(宮城県仙台市)
    • 年月日
      2016-08-30 – 2016-08-31

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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