光増感剤のトレースをMRIで行うための担体として、ガドリニウムキレートを結合させたデキストラン(Gd-Dex)を合成した。Gd-Dexは静脈内投与後すぐにS180マウス腫瘍に集積した一方、健常マウスでは60 分以上に亘り血管内に滞留した。腫瘍への体積当たりの蓄積量は、投与60分後では腫瘍サイズ500-3000 mm3 の間でほぼ同程度となった。血中のGd-Dexは加水分解後速やかに腎排泄されたが、一部は肝臓に集積した。一方、デキストランへの光増感剤chlorin e6(Ce6)の結合はシアノ化デキストランをエチレンジアミン結合Ce6と反応させることで合成できた。
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