生体膜リン脂質中の飽和脂肪酸の増加(膜リン脂質飽和化)によりIRE1, PERKが活性化する一方で、ATF6は活性化しないことが明らかとなった。さらに異常タンパク質蓄積時には、IRE1が高度に多量体化(クラスター化)し活性化するのに対し、膜リン脂質飽和化時にはクラスター化せずに活性化することを見出した。すなわち、膜リン脂質飽和化によるIRE1の活性化は異常タンパク質の蓄積によるものと質的に異なることが示唆された。また膜リン脂質飽和化によるUPR活性化に関わる小胞体膜タンパク質の解析から、膜リン脂質飽和化に対する恒常性維持機構の存在が明らかとなった。
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