本研究ではSV40ウイルスのマイクロRNAであるmiR-S1のウイルスDNAの複製や免疫応答における役割について調べた。SV40がコードするmiR-S1-3pとmiR-S1-5pのうち安定した発現や機能を有するのはmiR-S1-3pであるが、このmiR-S1-3pはシード配列を介した作用より全長にわたる相補的配列を介した抑制作用が強くsiRNA様に働く特徴をもつ。SV40ゲノムベクターを導入した細胞内でのウイルスDNA複製や炎症性サイトカインの発現を解析した結果、miR-S1-3pは標的であるT抗原の発現を抑制することで間接的にDNA複製や炎症性サイトカイン発現を調節することが明らかになった。
|