肥満を始めとする代謝異常疾患の制御には多くの因子が関わっており、その制御機構は複雑である。肥満や脂肪細胞の分化制御において、核内受容体であるPPARγは中心的な役割を担っている。これまでに、PPARγの内在リガンドとして、脂肪酸やプロスタグランジンの代謝物がその活性を持つとされる。しかしながら、生体におけるPPARγのリガンドの機能は分かっていない。 我々は、白色脂肪細胞を分化誘導し、脂肪滴を蓄積する過程で、Elovl3 (Elongation of very long chain fatty acid)が合成するC18:1およびC20:1の極長鎖脂肪酸がPPARγによって転写誘導され、一方で、極長歳脂肪酸が直接、PPARγに結合することを明らかにした。また、マウスELovl3に対する抗体を作製し解析を行った。さらに、ELovl3欠損マウスの解析に着手し、現在も進行中であり、作製出来次第、解析を行う。
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