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2015 年度 実績報告書

EXiLE法と質量分析法とを用いたアレルゲンエピトープの網羅的解析技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25460082
研究機関国立医薬品食品衛生研究所

研究代表者

中村 亮介  国立医薬品食品衛生研究所, 医薬安全科学部, 室長 (50333357)

研究分担者 中村 里香  国立医薬品食品衛生研究所, 代謝生化学部, 研究員 (40643333) [辞退]
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードアレルゲン / EXiLE法 / 質量分析法 / IgE / ルシフェラーゼ / エピトープ / 抗原抗体反応
研究実績の概要

本研究では、我々が近年開発したIgE crosslinking-induced luciferase expression(EXiLE)法を土台にした、新しいアレルゲンエピトープの網羅的解析技術を開発することを目的に掲げる。EXiLE法は、ラット培養マスト細胞株に、ヒトの高親和性IgE受容体(FcεRI)遺伝子、および、転写因子NF-AT依存的ルシフェラーゼレポーター遺伝子を導入した細胞株である、RS-ATL8細胞を用いる。この細胞はヒトのFcεRIのほか、内在性のラットFcεRIを発現することから、FcεRI架橋を誘導できるとされるマウス抗卵白アルブミン(OVA)-IgEモノクローナル抗体(E-C1)と、誘導できないとされる抗OVA-IgE抗体(E-G5)を用いて、液相・固相中の抗原への応答性を比較した。最終年度は、これらのIgEの抗体のエピトープ解析に本手法が応用できるかどうかを調べた。その結果、E-C1については、既報にある通りOVA中の61~68番目のアミノ酸配列と強く反応したが、E-G5はやはり既報にある363~374番目のアミノ酸配列とは全く反応しないことが分かった。昨年度までの結果と合わせると、E-G5のエピトープは、おそらくOVAが二量体を形成したときにのみ存在する構造であり、上記配列はその構造に類似する可能性はあるものの、実際のエピトープとは異なることが考えられた。また、E-C1のエピトープペプチドへの反応性は、従来法では数百nMのペプチド濃度を必要としたが、本手法では、わずか数十pMで十分であった。このように、本研究は当初の目的をほぼ達成し、極めて微量のエピトープペプチドを検出することができることを示すことができた。今後、本手法を発展させることで、低アレルゲン化食品の開発や、より抗原性の少ないバイオロジクス医薬品の開発などへの貢献が期待される。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 オープンアクセス 2件、 査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Use of humanized rat basophilic leukemia reporter cell lines as a diagnostic tool for detection of allergen-specific IgE in allergic patients: Time for a reappraisal?2015

    • 著者名/発表者名
      Falcone FH, Alcocer MJC, Okamoto-Uchida Y, Nakamura R
    • 雑誌名

      Curr Allergy Asthma Rep.

      巻: 15 ページ: 67

    • DOI

      10.1007/s11882-015-0568-3

    • オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Drugs causing severe ocular surface involvements in Japanese patients with Stevens-Johnson syndrome/toxic epidermal necrolysis2015

    • 著者名/発表者名
      Kaniwa N, Ueta M, Nakamura R, Okamoto-Uchida Y, Sugiyama E, Maekawa K, Takahashi Y, Furuya H, Yagami A, Matsukura S, Ikezawa Z, Matsunaga K, Sotozono C, Aihara M, Kinoshita S, Saito Y.
    • 雑誌名

      Allergol Int.

      巻: 64 ページ: 379-381

    • DOI

      10.1016/j.alit.2015.05.002

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] セルベーストアッセイによる牛肉アレルギー患者血清中IgEの糖鎖抗原への反応性の解析2016

    • 著者名/発表者名
      岡本(内田)好海, 中村亮介, 千貫祐子, 若林翼, 打田光宏, 土屋敏行, 斎藤嘉朗, 森田栄伸
    • 学会等名
      日本薬学会第136年会
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2016-03-27 – 2016-03-29
  • [学会発表] Drugs and HLA types associated with Stevens-Johnson syndrome/toxic epidermal necrolysis with severe ocular surface involvements in Japanese patients2016

    • 著者名/発表者名
      Nakamura R, Kaniwa N, Ueta M, Okamoto-Uchida Y, Sugiyama E, Maekawa K, Takahashi Y, Furuya H, Yagami A, Matsukura S, Ikezawa Z, Matsunaga K, Tokunaga K, Sotozono C, Aihara M, Kinoshita S, Saito Y.
    • 学会等名
      1st International Stevens- Johnson Syndrome Symposium
    • 発表場所
      ウェスティン都ホテル京都
    • 年月日
      2016-01-24 – 2016-01-24
    • 国際学会
  • [学会発表] EXiLE法を用いたモデル抗原のIgEエピトープ解析2015

    • 著者名/発表者名
      中村亮介, 岡本(内田)好海, 松澤由美子, 石井明子, 斎藤嘉朗
    • 学会等名
      第22回日本免疫毒性学会学術年会
    • 発表場所
      京都大学百周年時計台記念館国際交流ホール
    • 年月日
      2015-09-10 – 2015-09-11
  • [学会発表] 重篤副作用発症における感染症併発の影響 ― 横紋筋融解症及び重症薬疹の事例 ―2015

    • 著者名/発表者名
      佐井君江, 中村亮介, 今任拓也, 岡本好海, 梶波康二, 松永佳世子, 相原道子, 斎藤嘉朗
    • 学会等名
      第42回日本毒性学会学術年会
    • 発表場所
      金沢市アートホール
    • 年月日
      2015-06-29 – 2015-07-01
  • [学会発表] 国内の動向:臨床試料を用いた安全性バイオマーカー探索と検証―セーフティートランスレーションにおける課題―2015

    • 著者名/発表者名
      斎藤嘉朗, 前川京子, 齊藤公亮, 中村亮介, 熊谷雄治
    • 学会等名
      第42回日本毒性学会学術年会
    • 発表場所
      金沢市アートホール
    • 年月日
      2015-06-29 – 2015-07-01
  • [学会発表] EXiLE法を用いた経口免疫療法実施時における減感作状態の評価法の検討2015

    • 著者名/発表者名
      秋山晴代, 政岡智佳, 中村亮介, 小野佳代, 田中裕, 甲斐茂美, 栗原和幸, 宮澤眞紀
    • 学会等名
      第64回日本アレルギー学会学術大会
    • 発表場所
      グランドプリンスホテル新高輪
    • 年月日
      2015-05-26 – 2015-05-28
  • [学会発表] 重症眼粘膜障害を伴うSJS/TENの発症と関連する被疑薬およびHLA型について2015

    • 著者名/発表者名
      中村亮介, 鹿庭なほ子,上田真由美, 岡本(内田)好海, 杉山永見子, 高橋幸利, 古谷博和, 矢上晶子, 松倉節子, 池澤善郎, 松永佳世子, 徳永勝士, 外園千恵, 相原道子, 木下茂, 斎藤嘉朗
    • 学会等名
      第64回日本アレルギー学会学術大会
    • 発表場所
      グランドプリンスホテル新高輪
    • 年月日
      2015-05-26 – 2015-05-28
  • [図書] 食物アレルギーの現状とリスク低減化食品素材の開発 (EXiLE法)2015

    • 著者名/発表者名
      中村亮介
    • 総ページ数
      299 (pp.138-143)
    • 出版者
      シーエムシー出版

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公開日: 2017-01-06  

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