研究課題
基盤研究(C)
ApollonによるMitosis制御機構を明らかにするために、Apollonと結合するMitosis制御因子CyclinAの局在を調べた。間期においてCyclinAは主に核内に、Apollonは主に細胞質に局在しており、両者は細胞内で相互作用しにくい状況にあると考えられたが、核膜の消失したM期においてはApollonとCyclinAは細胞全体に共局在していた。このM期においてApollonとCyclinAの相互作用をin situ proximity assayで検討した結果、M期においてのみ強いシグナルが得られ、これらのタンパク質が結合している事を示す結果となった。次にM期におけるCyclinAの蓄積量に及ぼすApollonの影響を調べた。Apollon遺伝子破壊MEF、及び野生型MEFをNocodazoleで分裂中期に停止させ、抗CyclinA抗体で免疫染色する事によりCyclinAの蓄積量を比較した。その結果、Apollon遺伝子破壊MEFでは野生型に比べCyclinA蓄積量の増加した細胞が多数観察された。さらにGFP標識CyclinAを細胞に発現させ、細胞内でのCyclinAの分解を生細胞イメージングにより観察した。その結果、Apollonをノックダウンした細胞内ではM期におけるCyclinAの分解とM期の進行が遅延している事等が明らかになった。これらの結果から、ApollonはM期におけるスピンドルチェックポイント非依存的なCyclinA分解に重要な役割を果たしている事が分かった。これらの研究成果をまとめて論文に発表した。
1: 当初の計画以上に進展している
平成25年度に計画していた研究は概ね終了し、平成26年度以後に計画していた研究を一部前倒しで進めている。
平成26年度以後は、Apollon UBC変異マウスの表現型解析、Apollon UBC変異MEFの細胞周期解析などを重点的に行い、Apollonによる細胞周期制御におけるApollon UBCドメインの機能等を明らかにする。
3月に購入した物品の経理処理が4月以後になってしまったため、3月末時点での次年度使用額が0より大きい数字となった。平成26年度も消耗品の購入に多くの研究費を充てる予定。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)
J Biol Chem
巻: 289 ページ: 3457-3467
10.1074/jbc.M113.514430
Bioorg Med Chem Lett
巻: 24 ページ: 87-89
10.1016/j.bmcl.2013.11.078
Cancer Sci
巻: 104 ページ: 1492-1498
10.1111/cas.12272
http://www.nihs.go.jp/dfbg/frame.html