研究課題
Apollonは細胞死及び細胞周期を制御する分子量530Kの巨大なタンパク質である。Apollonによる細胞周期制御機構を明らかにするために、Mitosis制御因子CyclinAとApollon との相互作用について解析し、核膜が消失したM期において両者が結合している事を明らかにした。またApollonをノックダウンした細胞ではM期におけるCyclinAの分解とM期の進行が遅延している事等が明らかになり、ApollonはM期におけるスピンドルチェックポイント非依存的なCyclinA分解に重要な役割を果たしている事を明らかにした。Apollon UBCドメイン活性中心のシステイン残基をアラニンに置換したノックインマウスを作製し、その表現型を解析した。その結果、UBC変異をホモに持つマウスは胎生15日前後から死亡する例が見られはじめること、変異マウスの胎児や胎盤は野生型と比べて小さく、血管形成に異常を示す胎児や浮腫等が認められる例のあること等がわかった。これらの異常はApollon欠失マウスに見られる異常と酷似しており、マウスの胎生期におけるApollon の機能にはUBCドメインが決定的に重要な役割を果たしている事が示唆された。Apollon UBC変異マウス、Apollon遺伝子欠損マウス及び野生型マウスの胎児繊維芽細胞を培養し、それぞれの細胞溶解液からApollon を免疫沈降し、Apollonと結合して共沈するタンパク質をMSで解析し、Apollonと結合する複数のタンパク質を同定した。今後これらApollon結合タンパク質の機能及びApollonによる制御について解析する予定である。
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J. Biol. Chem
巻: 290 ページ: 28428-37
10.1074/jbc.M115.670901
http://www.nihs.go.jp/mtgt/index.html