脂質代謝酵素であるホスホリパーゼA2(PLA2G3)を起点とした脂質ネットワークが、アレルギー担当細胞であるマスト細胞の従来未解明であった成熟のプロセスを制御することを明らかとした。 PLA2G3欠損マウスの解析を通じて、本酵素が大腸癌とその発症リスクである大腸炎の増悪に関わることを明らかとした。更に、ヒト大腸癌患者の予後とPLA2G3の発現量が相関することを報告した。 PLA2はLDLの分解変性と動脈硬化の進展に関わることが想定されていたが、これを担うPLA2分子実体は不明であった。我々はこの動脈硬化促進性PLA2に該当するのはPLA2G3であることを欠損マウスの解析を通じて実証した。
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