研究課題
基盤研究(C)
肥満は糖尿病、高血圧、高脂血症といった生活習慣病の主要な危険因子である。肥満発症の原因の一つとして抗肥満因子である「レプチン」が効きにくくなること、すなわち「レプチン抵抗性」の形成がその発症に関わることが指摘されている。しかしながら、「レプチン抵抗性」形成機構については不明な点が多く残されている。そのような中、私達はレプチン抵抗性機構として「不良品タンパク質の蓄積による小胞体ストレスの関与」の可能性を見出すことに成功した(Molecular Pharmacology 2008, 74:1610-19)。そこで本研究の目的は、レプチンシグナルの活性化メカニズムを調べることで小胞体ストレスによる、肥満、糖尿病の新機構を明らかにし、新規治療薬の開発を目指すことを目的とした。中枢神経系において、神経細胞とグリア細胞のインターラクションが脳機能の発現に重要な役割を担っていることが報告されている。従って、レプチンによる抗肥満作用の主なターゲットは神経細胞であるが、神経細胞とグリア細胞が相互作用することで神経におけるレプチンシグナル伝達が制御されている可能性が考えられた。そこで、上記可能性について検討を試みた。検討の結果、グリア細胞由来の因子がレプチンシグナルに影響を及ぼしている可能性を示唆するデータを得た。従って、レプチンシグナルの活性化には、正常時並びに病態時における生理応答にグリア細胞が関与している可能性が示唆された。
2: おおむね順調に進展している
実験も順調に進み、おおむね当初の計画通りに研究が進んだと考えております。
今後も当初の予定通り研究を進めていき、良い研究成果が発表できれば幸いと考えております。
当初予定していた額より、必要経費が若干少なくてすんだため。次年度に予定している実験計画に使用予定。
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