プロテアーゼおよび酸化ストレスは,慢性閉塞性肺疾患 (COPD)や嚢胞性線維症 (CF) などの閉塞性肺疾患の病体を規定する因子として重要であるが,呼吸機能障害を安定的に呈するC57BL/6-βENaC-Tgマウスにおける,これらの経路の役割については不明であった.本研究では,プロテアーゼ阻害薬のONO-3403および抗酸化薬であるN-アセチルシステイン (NAC) 投与が,マウスの肺気腫ならびに呼吸機能障害を有意に抑制することを示した.また,抗酸化物質であるビタミンCを体内で産生できない閉塞性肺疾患マウスを作製したところ,体内VCの欠損は,肺気腫病態の悪化,呼吸機能の低下を有意に促進した.
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