カルシウム活性化クロライド(ClCa)チャネルとして同定されたTMEM16Aに注目し、血管平滑筋における生理的意義の解明を目指した。マウス門脈平滑筋細胞において、TMEM16Aが高発現し、二量体でClCaチャネルを形成していた。その活性はアクチン骨格との相互作用による影響を受けた。TMEM16AはTMEM16Bとヘテロ二量体でClCaチャネルを形成できることが示唆された。肝硬変由来の門脈圧亢進症モデルマウスにおいて、門脈平滑筋細胞でのTMEM16Aの発現および機能が低下していた。本研究成果は、血管におけるTMEM16Aチャネルの生理機能と病態での役割を解明する上で重要な知見であると考えられる。
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