研究課題/領域番号 |
25460116
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
中村 智徳 慶應義塾大学, 薬学部, 教授 (30251151)
|
研究分担者 |
坡下 真大 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20613384)
佐藤 浩子 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (50396652)
山本 康次郎 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70174787)
鈴木 小夜 慶應義塾大学, 薬学部, 講師 (90424134)
手塚 淑人 慶應義塾大学, 薬学部, 助教 (00433649)
小林 典子 慶應義塾大学, 薬学部, 助教 (90245449)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 処方調査 / 疫学研究 / 和漢薬 / 大建中湯 / オピオイド |
研究概要 |
本課題では、研究分担者(佐藤、坡下)の所属する群馬大学医学部附属病院において和漢薬が処方された症例を対象とし、その患者に併用された西洋薬の名称および適用疾患名を抽出することで、和漢薬と西洋薬との併用の実態を調査し、和漢薬の適正使用に向けた研究の基礎データの収集を目的としている。 本研究課題に先行して、群馬大学医学部疫学研究倫理審査の承認を得て(No.24-21)、平成24年4月1日から平成25年3月31日までの1年間に漢方薬の大建中湯とオピオイド製剤との併用事例を、当該病院の診療データから抽出し連結不可能匿名化した。この匿名化されたデータを元に、平成25年は以下の研究実績が得られた。 1)抽出したデータを解析したところ、7件の併用事例があり、うち3例はモルヒネによると思われる便秘の改善に大建中湯が処方されたことが推定された(未発表)。 2)この予備検討を受け、研究データの収集期間を平成21年から平成25年までの5年間に拡大し、併用する薬剤を大建中湯だけでなく、同大学病院で採用されている全漢方薬および全西洋薬との併用事例を検討すべく、改めて同大学に疫学研究倫理審査の受審を申請し、平成26年2月に承認された。 3)本研究に関わる上記倫理審査承認までの間に、漢方薬「柿蔕湯(していとう)」の吃逆に対する臨床効果を文献的に検証した(日本薬学会第134年会、熊本)。 4)今後の遺伝子解析を含む検討に備え、備品類の購入を行ない研究基盤を整備した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該研究代表者(中村)が平成25年4月1日付で、群馬大学医学部より慶應義塾大学薬学部に異動し、異動先での研究基盤の整備に時間を要したことが挙げられる。 また、先行の調査研究に関わる疫学研究倫理審査の研究承認期間が終了し、改めて期間の延長を申し出たが、本申請の研究代表者(中村)の異動に伴い、研究の責任体制の整備を行なう必要性を指摘され却下された。 そこで改めて研究組織について再検討し、群馬大学および慶應義塾大学との共同研究の体制整備を行い、さらに対象の和漢薬および西洋薬の範囲、研究データ抽出期間の拡大を盛り込んだ新たな疫学研究に関する申請を群馬大学に行なったところ、平成26年2月まで承認がずれ込んだことなどから、研究の進行状況がやや遅れるに至った。
|
今後の研究の推進方策 |
平成26年2月に疫学研究倫理審査が承認されたことを受け、より長い臨床データ収集期間、ならびに和漢薬および西洋薬の対象薬の組み合わせを拡大し、データの抽出と解析を集中的に行なっていく。 また、疫学倫理審査の承認を待つ間に行なってきた、薬剤性の吃逆(しゃっくり)の改善が期待される漢方薬「柿蔕湯(していとう)」の薬効に関する調査研究についても積極的に遂行していく。 さらに共同研究先を拡大し、慶應義塾大学病院ならびに近医で漢方治療に先進的に取り組むクリニック等にも働きかけ、研究体制を充実させていく。
|
次年度の研究費の使用計画 |
研究分担者(坡下、佐藤)分400,000円および研究代表者(中村)分49,600円については、疫学研究倫理審査の承認が遅くなり、研究の進行が遅れたので、次年度使用額に回すことにしたため。 疫学研究倫理審査の承認を受けて、データ調査を再開し、データ解析のために必要なソフトウェアの購入に当てる。
|