研究課題/領域番号 |
25460116
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
中村 智徳 慶應義塾大学, 薬学部, 教授 (30251151)
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研究分担者 |
坡下 真大 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 講師 (20613384)
佐藤 浩子 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (50396652)
山本 康次郎 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (70174787)
手塚 淑人 慶應義塾大学, 薬学部, 助教 (00433649) [辞退]
青森 達 慶應義塾大学, 薬学部, 講師 (40620802)
鈴木 小夜 慶應義塾大学, 薬学部, 講師 (90424134)
小林 典子 慶應義塾大学, 薬学部, 助教 (90245449) [辞退]
地引 綾 (中島綾) 慶應義塾大学, 薬学部, 助教 (00746224)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 大建中湯 / モサプリドクエン酸塩 / カルテ調査 / 胃がん / 大腸がん |
研究実績の概要 |
平成26年度に引続き、群馬大学医学部附属病院でのカルテ調査を継続し、胃・大腸がん術後における大建中湯と西洋薬との併用に関する疫学的研究を行った。 今回は原発性胃がん・原発性大腸がんの術後に、消化器機能調整のため大建中湯がモサプリドクエン酸塩と併用されている症例を対象とし、疫学調査研究で両剤併用の有効性・安全性を評価した。 群馬大学医学部附属病院の診療情報端末より、患者背景や術後の経過に関する項目を抽出し、連結不可能匿名化した。まずモサプリドクエン酸塩単剤群とモサプリドクエン酸塩・大建中湯併用群で2群比較を行った。次いで時間経過による影響を考慮した比較を行うため、単剤群を前半と後半、併用群を単剤服用期間と両剤併用期間に分割し、それぞれ2群比較を行って変化を調査した。 単剤群に比べ併用群において、術後在院日数、消化器症状の発症率が有意に高かったことから、併用群は単剤群より症状が重かったと考えられる。また併用群では、単剤期間から併用期間にかけて有意に改善した項目はなかったが、排便、蠕動、嘔気・嘔吐、ビオスリー使用の項目で改善傾向がみられた。しかし腹部膨満感や腹痛の項目は併用群患者で重症だったために単剤群の方が改善したことや、併用群で消化管に影響のある薬剤の多くが増加したために純粋な大建中湯の併用効果を評価できないといった問題があった。今後前向きな調査が必要である。 胃がん・大腸がんの術後においてモサプリドクエン酸塩に大建中湯を併用することで、消化管運動促進、制吐作用、腸内細菌調整作用が期待できる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成26年に発覚した群馬大学病院での医療事故を受け、臨床研究用データの抽出に一定期間の制約が生じ、研究の進行状況に明らかな影響が出てしまった。また群馬大学の共同研究者(坡下真大助教)の名古屋市立大学薬学部への転出も重なり、進行状況に遅れが出ている。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度後半より、慶應義塾大学病院漢方医学センター(渡邉賢治教授)との共同研究体制が構築できた。そこで平成28年度は同センターにも本研究にご協力頂き、これまでの消化器系疾患の薬物治療での調査研究に加え、精神科系および婦人科系疾患の薬物治療での東西医薬品併用事例について研究を遂行していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度は、研究実施施設である群馬大学病院での医療事故を受け、臨床研究を目的とした診療情報の抽出に時間がかかり、また研究分担者の坡下真大氏の名古屋市立大学への転出も重なり、大幅に研究の進行が遅れてしまったため。
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次年度使用額の使用計画 |
群馬大学病院で得られた患者診療情報をもとに研究結果の公表を目指す。 また平成27年度後半に確立した、慶應義塾大学病院漢方医学センターとの共同研究体制を活かし、平成28年度は本研究課題に関連して、消化器系疾患治療以外で用いられる漢方薬と西洋薬との併用事例について検証し、成果を公表していく。
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