研究実績の概要 |
平成25年度に行った栄養飢餓状態選択的細胞毒性試験において,ヒト膵臓がんPANC-1細胞およびPSN-1細胞に対して強い活性を示した「石松子」(PC50, 36.3 μg/mL,17.9 μg/mL)について,核磁気共鳴(NMR)スペクトルおよび赤外吸収(IR)スペクトルのデータを検討した結果,主成分が脂肪酸関連化合物であることを明らかにした。そこで,ガスクロマトグラフィー質量分析計(GC-MS)による解析を行い,hexadecanoic acid, (9Z)-hexadecenoic acid, (9Z,12Z)-octadecadienoic acid (= linoleic acid), 11-octadecenoic acid, 8-hydroxyoctadecanoic acid が含まれると推測した。現在,標品を入手しての同定を試みている。 一方,同様に,ヒト膵臓がんPANC-1細胞およびPSN-1細胞に対して栄養飢餓耐性選択的細胞毒性を示した「延命草」(PC50, 35.1 μg/mL,43.0 μg/mL)について,70%エタノールエキスの各種クロマトグラフィによる分離を検討し,酢酸エチル可溶性分画から6化合物(isothymusin, 4-hydroxybenzoic acid, pedalitin, 3,4-dihydroxybenzoic acid, caffeic acid, rosmarinic acid)を,ブタノール可溶性分画から3化合物(3,4-dihydroxybenzoic acid, rosmarinic acid, scutellarein)を単離した。現在,その他の化合物の単離・同定を試みている。
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