幅広い極性の芳香族化合物の一斉分析が可能である分析条件を確立し,相互作用による煎液中の成分の変化に着目し実験を進め,芍薬と他の生薬組み合わせによる,加水分解性タンニンの挙動の変化について検討した。また沈殿形成の挙動について,紫外可視スペクトル分析による比較を行い,要因としてカウンターイオンの影響や疎水性相互作用を示唆する基礎的データを得た。さらに補骨子からはモデルとなりうる化合物を単離し,その構造と活性を明らかにした。一方,高分子ポリフェノールの分析には,GPCによる分析が有効であり,これら高分子成分が他の生薬との沈殿形成に関与していることが示された。
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